スピリッツ業界における
世界のトレンドと日本のトレンド

世界のバー・シーンでは、日本産のスピリッツが近年ますますその存在感を強めるようになってきました。国内の新しい蒸留所で熟成されるウィスキーから、ハイクオリティーのクラフトジン、カクテル向け新焼酎、日本産ビターズ、日本産ベルモットに至るまで、世界のバーには日本のスピリッツが並ぶようになっています。

一方、国内に目を向けると、主としてウィスキーに牽引される形で、この10年間外国産スピリッツは非常な勢いで日本のアルコール・シーンに浸透しています。ハイボールブームの流れの中で、ジム・ビーム、デュワーズ、ホワイトホースは、現在ではどんなカジュアルな居酒屋にも置かれるようになりました。

しかしながら、日本のスピリッツ市場は今後さらに伸びる可能性を持っています。近年世界で注目を浴びるアイリッシュウィスキーは日本ではまだ0.2%のシェアを占めるにすぎません(しかし今後飛躍する兆しを見せています!)。ジン市場も小さく、メスカル、ピスコ、クラフトベルモットに至っては、スピリッツが好きな人々にとってもいまだ聞き慣れない名前です。

スピリッツ業界でも世界的にクラフト・ブームが広がっており、クラフトスピリッツの価値は高くなっています。アジア最大のマーケットである日本は、クラフトスピリッツ・ブランドが今後大きく発展する可能性があります。
しかし、他の商圏で使った手法と同じものが応用できるとは限らず、日本へのマーケットエントリーを成功させるためには、市場や消費者に関する広範で深い洞察と知識が必要となります。